2020.02.05
ニュースリリース
水問題、気候変動のリアルと財務・バリューチェーンを結びつける内定者研修で、仕事に手触り感を。(株式会社ダイキアクシス様|内定者研修)
タイガーモブは、株式会社ダイキアクシスの内定者研修の企画・コーディネートを行い、2019年12月5日〜2019年12月13日までの9日間でインドネシアのジャカルタ、バリにて内定者研修を実施して参りました。(内定者研修様子は、一番下に動画でも掲載しております。) 「PROTECT × CHANGE」を掲げ、社会問題を解決するための浄化槽の開発・生産・営業、各種排水処理装置の設計・施工・維持管理、小型風力及び太陽光発電の再生可能エネルギーの開発・販売、地域に密着した住宅機器の販売や廃食用油を原料とするバイオディーゼル燃料の精製・販売及び精製プラントの販売を行い、アジア・アフリカへの事業展開も積極的に進めるダイキアクシス社。積極的かつ戦略的な海外事業展開を推し進める同社が、内定者研修をなぜインドネシアで実施したのか、その想いと狙いについて、導入と運営に携わっていただいた、株式会社ダイキアクシス取締役常務執行役員・社長室長の大亀裕貴様に、タイガーモブ株式会社COO中村寛大が内定者研修の実施背景と想いについて伺ってきました。
本記事のチェックポイント
1.自社のビジネス理解のための財務とバリューチェーンの理解を内定者研修で実施
2.自社のビジネスの価値を社会問題を目の当たりにし、リアルな手触り感を持って感じ、自分たちならどのように解決するかのアウトプットを出す
3.教えるのではなく、対話しながら、チームで答えを出していく対話型内定者研修
ー本日はお時間をいただきましてありがとうございます。早速ざっくばらんに色々伺っていきたいのですが、まずはこれまでの内定者フォローをどのように行っていたか教えていただいてもよろしいでしょうか?
こちらこそ、よろしくお願いいたします。これまでの内定者フォローは、一般的なもので、内定式・懇親会・ビジネスマナーテスト・個別電話応対研修を実施していました。先にお伝えしてしまうと、従来のフォローでは、内定式から入社に至る間で自社のビジネスや雰囲気を知る機会がありませんでした。
ーなるほど、そうするとどのような問題が起こっていましたか?
入社後の新入社員研修だけでは、十分に会社のビジネスを理解する前、自社へのエンゲージメントが高まる前に配属が実施されることになっていました。また、世界に事業展開をしている会社だということもあり、同期同士の絆や繋がりもどうしても希薄になりがちで、何かあった時に相談したりしにくい状況でした。
ー確かに、エンゲージメントと横のつながりはデザインしにくいですよね。お話の続きとして、海外内定者研修を導入された理由を教えてください。
大きく2つあります。1つ目は、自社のビジネスとして、「PROTECT × CHANGE」をテーマに掲げ、浄化槽のビジネスを中心に世界の水問題を解決していくこと、また、再生可能エネルギーなど地球を守りながら、よりよく変えていく取り組みをしています。しかしながら、メーカーとして世界でビジネスを展開していく中で、職種が分かれていくと、どうしても捉えている領域が狭くなり、自社のビジネスの文脈や歴史、背景理解が希薄になってしまっていました。その結果、誰のどんな頑張りがあって、自分たちは顧客に価値を届けられているのか、社会課題が解決できるのかが理解しにくくなっていることを解決したいと考えていました。
ーなるほど、確かに大きな会社だと繋がりや文脈が役割分担によって細分化されて見えにくいこともありますよね。2つ目はなんだったのでしょうか?
2つ目は、個人的な体験からきているのですが、学生時代に、私自身がケニアとインドでの短期インターンシップ、ビジネスプログラムに実際に参加した経験です。この経験が、社会人となって非常に生きている実感があります。私が経験した同じようなことを内定者に体験してもらい、将来的にどんなフィールドであれ視野を広く持ち、自分で考える力を養える機会を内定者に得てもらいたかったのです。そんな理由もありながら、中村さんとディスカッションしているうちに、弊社が取り組んでいる環境事業、特に水処理事業というビジネスは日本国内だけでなく、今後は途上国を中心としたグローバルな世界の環境問題解決に必要なものだということで、日本にいるだけではわからないリアルな途上国の問題を感じてもらえる機会になるという理由でインドネシア(ジャカルタ・バリ)での内定者研修を導入することを決定しました。
ーありがとうございます。とはいえ、海外で内定者研修ということとなると、導入ハードルが高かったんじゃないかと思いますが、実際の海外内定者研修の導入決定のプロセスはどのような形式だったのでしょうか?
弊社が世界の社会課題を解決する事業に携わっていることもあり、そしてSDGsへの取り組みや、日本の浄化槽(世界でもJOHKASOUというブランドになりつつある)の価値を広げていくことの意義を経営陣も感じていたため、社内の役員会承認は反対もなく、「ぜひやってみたら良いではないか」という声を得ることができました。私は海外事業も統括している立場にいるのですが、海外事業展開も加速していることもあり、グローバルな舞台でビジネスを展開していくということはその国の現状や、現地の人が何に価値を感じているかという理解も大切だったため、導入しやすかったのではないかと考えています。
ーご自身にとっても非常に大きな経験があったのですね!それは大きいです。ちなみに、導入意思決定から実施までの流れはいかがだったでしょうか?
基本的にタイモブさんにお任せする形だったので、かなりスムーズな流れであったと思います。現地でのプログラムの計画立案を詳細部分まで行っていただいたので、弊社としては内定者との研修実施の日程調整、フライト手配など整理されていた業務を行うのみで負荷も非常に少なく、スムーズな準備でした。また、事前に内定者へのヒアリングで研修のレベル感のチューニングも相談しながら、何を狙いとしてやるのかをすり合わせながら進めていけたので、とてもやりやすかったです。
ーそうですね、その流れもあってか事前研修では、ファイナンスとバリューチェーンをお題に実施しました。こちらは振り返ってみてどうでしたか?
私は研修を見学していましたが、ビジネスパーソンにとって非常に役に立つ内容であったと思います。私が役に立ったと感じた理由は2点あります。1点目は、研修体系です。いわゆる従来の受講者が座って講師が話すだけの”研修”ではなく、中村さん(タイモブCOO)がファシリテーターとしてプログラムを進め、ワーク形式でケーススタディやグループワークを通じてチームビルディングをしながら、受講者がそれぞれ考えて発信する力を養っている様子が見えました。研修を通し内定者のチームワークがものすごく良くなっている様子が見られました。2点目は、ファイナンスを研修内容としている部分です。商流やバリューチェーンを学ぶことにより1つのビジネスだけをとっても多数のステークホルダーが関わっていることを理解したり、会社がどう利益を生み出すのか、なぜ内定者自身が研修を受けさせてもらっているかというものを自分ごととして学んだりしてもらえたと思います。
ー初日の終わりの時間には、みんな頭をフル回転させていたので、とても疲れていましたよね。(笑)私自身も振り返ると、とても「感謝心」が醸成されている気がしました。その後、いよいよ海外研修ですが初めての海外研修はいかがでしたか?
私はジャカルタには参加していないのですが、弊社子会社であるインドネシア社ジャカルタ事務所を訪問してもらい、現地駐在員や現地社員と交流できたのはよかったのではないかと思います。現地社長から思いのこもった熱い話をもらったと聞きました。各内定者自身が海外で働く意義や当社のビジネスについて深く考える良い機会になったと思います。バリの7日間の研修は、研修受講者、指導者、そして内定者それぞれの相談相手として参加しました。結果として今回の海外研修は非常に良い投資になったと感じています。5年、10年先ですが、彼らが仕事でリーダーとして活躍できる土台ができたと思います。インドネシア、バリという地もよかったです。リゾート観光地というイメージで内定者の参加障壁が低いこと、経済発展にともなう様々な問題、とくに水問題が深刻化してきており、ダイキアクシスのビジネスの重要性、将来性が身をもって理解できるからです。また、私自身「Think out of the box.」で物を考えるきっかけになりました。運営側も学びがあるというのはよかったです。研修後、研修の様子がWWFの事務局の方の目にとまり、ご案内ができたのもすごい価値だと感じました。
ー海外内定者研修の実施後、新たな気づきはありましたか。
たくさんあったと思います。教育の面白さや重要さを身をもって感じ、人事は面白いなと思いました。人事の仕事を考え直せるというのは、とてもいいことでした。今後は、グローバル化が進み日本として世界での立ち位置をいかに確立できるかということが大切になってくると思います。そんな中で、クリエイティビティ、デザイン思考をもって社員それぞれが自分で考えて自分が発信できる力を養っていくために何ができるかということを人事として考え、取り組んでいこうと思います。弊社の理念である「PROTECT×CHANGE」という環境を守りながら未来を変えていく、日本や世界の未来のためにそういった人材育成の取り組みをして各社員が仕事を頑張れる組織作りをしていきたいと思います。
ーそれはすごく良い気づきですし、社会のために世界のためにというのがとても素晴らしいですね。運営していてよかったです。最後に次年度以降の内定者研修はどうしていきたいですか。
今回と同様の研修に追加して、継続的に受け継げる研修をできたらと思います。内定者研修を通じて社会に対して何かを残せるものにしたいと思います。CSR的な意味でもありますが、毎年内定者がそれを引き継いで、プロジェクトを続けていくということもできると思います。それによって、当社が何を大切にしているのか、内定者のうちから見て感じられるアウトプットの一つとしてこれから未来の内定者の皆さんには感じていただきたいと思っています。
ーありがとうございます、来年以降もどうぞよろしくお願いいたします!
海外インターンシップや海外研修というと一個人が行くものというイメージがあるかもしれませんが、今回は内定者研修の事例をご紹介させていただきました。タイガーモブは、個人の支援だけでなく、企業研修などのオーダーメイドの「教育×海外」事業を行ってまいります。組織開発とCSRを組み合わせ、SDGsに対しての取り組みを行い、実際にアウトプットしていくことが、自社の未来への投資につながっていると感じる事例のご紹介でした。
https://www.youtube.com/embed/v_Ds12NRs1A
本プログラムの運営は、su-re.coさんの全面的な協力によって実現しました。
ダイキアクシスは愛媛県松山市を発祥とする水に関わる環境創造開発型企業です。環境機器事業、住宅機器事業、再生可能エネルギー事業の大きく3つの事業柱で世界の環境問題解決に取り組んでいます。経営戦略として海外展開を推進しており、現在海外4拠点(インドネシア、シンガポール、インド、中国)に子会社を有し、東南アジア、アフリカ各国にネットワークを拡大しています。 株式会社ダイキアクシスのホームページはこちら