2020.03.04
ニュースリリース
【社会人海外インターン】後編・個人を超えてチームで成果を出す -ANAフーズ株式会社
(後編)海外武者修行プログラムの一環として、社会人海外インターンシップをご活用頂いたANAフーズ株式会社の人事部の武田さんと、3か月に渡るベトナムでのインターンシップに挑戦して頂いた大胡菜奈さんに、研修を実施した背景や渡航前後の変化についてお話をお伺いしました。
前編はこちら
行動を見せ、態度で示せば、認めてもらえる
チームで動くうえでもう一つ感じたことは、態度で示すことの重要さです。
私は英語が流暢ではなかったので、言語で想いを伝えることはとても苦労しました。でも、言葉で伝えることが難しくても、私の行動は見てもらえるし理解してもらえるじゃないですか。態度を示せば、ベトナム人たちも応援してくれるんですね。
本当に小さなことですが、例えば、ベトナム人スタッフたちはごみを捨てないんですね。2~3日ごみを放置しておくので臭いがすごいんですね。排水溝も掃除しない。
そういう時に、どうしても気になったので、毎日ゴミを捨てにいったんですね。ただ途中から、「何もしなくてもやってくれる」とベトナム人スタッフたちに思われるのは嫌だったので、ゴミ袋にまとめるところだけは私が担当して、その袋を部屋に置いて、誰が持っていくか見てました笑。そのうち、ゴミを捨てることも、洗い物をすることも、みんなの習慣になっていきました。
ー自ら行動することで、みんなが付いて来てくれたんですね。
彼らにとってこれは当たり前ではないんですね。でも行動で示すことで、次第に理解してくれるようになりました。でもこれがきっかけで、私が荷物を運んでいる時に心配してくれたり、営業に出かけるときは応援してくれたりすることが多くなりました。異文化で言語ができなくても、 他の人を動かしていくということがどういうことか、わかった気がしました。
お客様にとって、何が重要なのか
―他に、インターンシップ後、変化した考え方や価値観はありますか。
自分の発言や考えがはっきりするようになりました。顧客目線に立った時に、意見が明確でないのは、よくないなと思うようになりました。
これまでは、お客様から何かご要望をいただいたときに、できないと分かっていても「検討します」と一旦持ち帰っていました。そして「できません」と回答する、というサイクルでした。
ベトナムでは、ベトナム人スタッフに何かを依頼すると、彼らはできないことはできないとはっきり言うんですね。日本人は、できなくても言えないじゃないですか。ベトナム人は何をしたらいいかが分かりやすく、単純明快だなと。
そう思ったときに、「もしかしたら、日本にいる時の自分は、お客様から見たら曖昧な態度を取っているように見えていたかもしれないな」と思ったんですね。
それなら、はっきりとその場でできるかできないかを回答したほうが、メリットが生まれるかどうかをお客さんが判断できて、すぐ行動できるじゃないですか。
帰国後は、お客様に提案された瞬間に、「実現するためにはどうしたらいいか」とその場で前向きに考え、いい回答ができるようになりました。逆にできないと感じたときは、はっきりと「これはできません」と理由を明確にしながらお断りするようになりました。できる、できない、の間を持たないようになりました。
お客様からも、「帰国してから(言い方や態度が)きつくなったね、はっきり言うようになったね(笑)」と言われるようになりました(笑)
でも濁して回答しても時間の無駄なので、お客様目線ではこれがベストだと思っています。
持ち帰った課題点
ーインターン中に大変だったことはなんですか?
日本で身に付けたやり方が外れず、時間がかかってしまったことです。
日本では、出来上がったプロセスの中で結果を求められていました。ところがベトナムでは、1から10まで全部自分でやらなければいけませんでした。
資料を自分で作って、見直して、営業場所をピックアップして、連絡先を調べて、でも書いていないから直接行って、でも担当者がいないので来るまで待って、でも待っても来ないので手当たり次第にアタックしに行って・・・。事前に必要なプロセスを把握して計画を立てることができず、一個一個やりながら戻ってしまうので、とても時間がかかってしまいました。そこが自分のできなかったことです。
ー計画性については、受入先の社長からも、課題点として頂いた点でしたね。
インターンシップに参加してみて、改めて課題だなと感じました。いまの仕事は、会社の仕組みに乗っかっているだけなので、タスクが順序立てやすいですね。でも新しいことにチャレンジするときは、どんなタスクがあるのか予想しなければならないことを学びました。
―他に苦労したことはありますか?
「これは私の仕事ではない」とベトナム人スタッフが返してくることです(笑)。お土産事業専属のスタッフはいなかったので、みんな他人事なんです。何か頼もうとしても、「私の仕事ではない」「他の人に聞いて」とたらい回しでした。日本での当たり前が通じない経験でした。
他にも、英語は苦労しました。自分の責任なのですが、もっとできたら、もっと会話できたんだろうなと思います。ただただ、勉強不足です。でもできないからこそ、ポジティブに、できなくても案外なんとかなるなと思うことができました。
自ら課題を見つけ、設定し、達成すること
―武田さんにお伺いします。帰国前後の大胡さんを見ていて、どんな点に変化を感じますか?
渡航前から活躍していたことは十分知っていました。取引先からは信頼が厚く、チームの中でも最年少として下から刺激してくれている印象でした。だからこそインターンシップにでも活躍してくれるとは思っていました。
本人は過剰評価と謙遜していますが笑、社内向けの報告会では、周囲の想定を超えた結果を出して帰ってきたので、「海外研修はこんなにも人が大きくなって帰ってくるんだ」と、役員をはじめとして、本当に良かったと言っていただけました。大胡が最初の渡航者でよかったですし、いい受入先に巡り合えたなと思いました。
また、成果の大きさに比例して、深く思考していたことが伝わってきたことです。これまでの仕事は、上長から与えられたミッションを達成することが目的でした。今回は、自分で課題を見つけて、設定して、達成してきている。明らかに、いままでの仕事とは異なるステージの仕事を経験し、やり遂げてきていると感じます。出した成果以上に、人として大きくなって帰ってきたことを、周囲も評価しているのではないかと思います。
―最後に、大胡さんから、今後の抱負を教えてください。
海外研修に参加する前から思っていることですが、もう1段レベルアップするために、海外向けの仕事をしたいです。
入社時からずっと、海外部門へ行きたいという希望があります。それまでに自分ができることは何かと考えると、やはり日本にいる間から海外向けの仕事で経験を積みたいです。研修先では新規事業の拡大にも関わったので、そういった新しい事業の立ち上げ等にも関わることで、もっと飛躍できるのではと思っています。
この会社の中ではベトナムのことを一番知っている自信があるので笑、今の会社の中でもベトナム関連の仕事をしている方のサポートもしたいです。
これまでは単に「アメリカ駐在をしたい!」とだけ考えていましたが、「私がやりたいことってなんだったんだろう?」と考えてみると、そこに強くこだわっているわけではないことに気づきました。発展していないところを発展させたり、新しく何かを立ち上げる経験をしていきたいです。
大胡さん、武田さん、インタビューへご協力いただきありがとうございました!
<編集後記>
大胡さんは、帰国後1か月半のインタビューということもあり、ベトナムで経験してきたことをいまの仕事にどう取り込んでいくかを、内省して深く考えられている印象でした。
組織の外に出ることで、普段所属している組織の当たり前を、客観的に見る。
若い年次でも権限と責任を持って主体的にプロジェクトに取り組む。
海外インターンシップは、越境学習(※)の1種と言われます。いまいる場所とは異なる環境で、異なる人々と出会い、協働する経験を通して、大胡さん自身の価値観が変化していく様子が見て取れました!
※越境学習についてはこちらの記事を参照!
https://note.com/tigermov/n/ndfbd95acf3aa
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